データ共有ができる「オンラインストレージ」と「ファイル転送サービス」 チームメンバーや顧客にファイル転送したいとき、「データが大きくてメール添付できなかった…」という経験はありませんか。スムーズなファイル転送・共有には、大容量データのやり取りもできる「オンラインストレージ」や「ファイル転送サービス」が有効です。 オンラインストレージとファイル転送サービスは、似た機能を持っていますが異なるツールです。それぞれの特徴や、何が違うのかを比較したので、参考にしてみてください。 オンラインストレージでできること ファイルやフォルダを共有できる オンラインストレージは、ハードディスクドライブやディスクなどを用いず、インターネット上のスペースにデータを保管します。オンラインストレージは、iCloudやbox、Yahoo!ボックス、Google Driveなどと同様に、文書ファイルや画像・動画などのデータを、webサーバー上で共有できます。 オンラインストレージは、データのバックアップ先として活用できたり、スマホからアクセスできたりと、利便性が良い点もメリットです。 デバイス・人を制限できる 企業でデータ管理する際には、アクセスできるデバイスや人を制限できると便利でしょう。オンラインストレージの多くは、アクセス元のデバイスやIPアドレスを制限できるので、セキュリティ対策を強化できます。さらに、オンラインストレージは、ファイルやフォルダごとにアクセスできる人を細かく設定できるので、情報漏えいのリスク解消にも繋がります。 ファイル転送サービスは、転送時にファイルにパスワードを設定できますが、パスワードを入手すれば、誰でも閲覧ができるため注意が必要です。 アクセスログを記録できる ファイル転送サービスにはない機能としては、アクセスログの記録・確認が挙げられます。オンラインストレージの機能や料金プランにもよりますが、多くのオンラインストレージサービスでは、パソコンやスマホからのログイン状況や、閲覧・ダウンロードした人などの情報を確認することができます。 アクセスログ機能があることで、万が一情報漏えいなどのトラブルが発生した際にも、どこから流出したのかの特定ができるので、迅速な対応が可能になります。 ファイル転送サービスの注意点 個人情報、機密情報の送信に注意する 業務でファイル共有をする際には、個人情報や機密情報などを送信する場合も多いでしょう。オンラインストレージは、ファイルやフォルダの共有後にも、アクセス権限を変更ができる点がメリットのひとつです。 一方、ファイル転送サービスは、ファイル送信後に宛先やファイル、アクセス権限などの変更はできない仕組みです。重大なトラブルが起こらないよう、個人情報や機密情報の送信時には、事前に十分な確認しましょう。 セキュリティが十分か確認する オンラインストレージの多くは、ビジネス利用にも対応するため、高度なセキュリティ体制でサービスを提供しています。 ファイル転送サービスは、データセンターにファイルが保存されるので、不正にアクセスされるなどのセキュリティリスクがあります。特に、無料のファイル転送サービスは、ファイルが暗号化されない場合もあるため、ビジネス利用には向いていません。 広告に注意する 無料ファイル転送サービスの多くは、広告が表示されることで無料利用ができる仕組みです。表示される広告は、サービス提供企業が判断しているため、詐欺を目的とした広告が表示されることもあるかもしれません。誤ってクリックしてしまう可能性もあり、情報漏えいのリスクやウイルス感染など、無料のファイル転送サービスには、さまざまなリスクがあります。 特に、顧客にファイルを送る場合には、広告が多く表示されるような、無料のファイル転送サービスはおすすめできません。 オンラインストレージを使った方がいい理由 理由①高いセキュリティ 安全にファイル転送・共有をするには、セキュリティ対策がしっかりしたオンラインストレージやファイル転送サービスを利用しましょう。 有料オンラインストレージは、高いセキュリティのほか、容量やアカウント発行数が大きい・無制限など、ビジネス利用に適した機能が多く実装されています。自社のセキュリティポリシーを確認し、万全のセキュリティ対策や、万が一の事態になったときのサポート体制などがあるサービスを利用することをおすすめします。 理由②相手がダウンロードすると通知がくる オンラインストレージは、相手がファイルをダウンロードすると、メールなどで通知が送られてくる機能を持つサービスもあります。ダウンロードした時間や回数などの詳細情報が、リアルタイムで自動的に送られてくる仕組みです。 適切な相手に適切なファイルが送信されているのかを確認することができることが、ファイル転送サービスにはない、オンラインストレージのメリットです。社内だけではなく、顧客ともファイル共有する機会が多い場合には、安全な管理ができるため、重宝するオンラインストレージの機能でしょう。 理由③ファイル転送サービスよりもファイルの保存期間が長い ファイル転送サービスは、保存期間に制限があります。例えば「GigaFile(ギガファイル)便」は、200GBまでのファイルをアップして転送できます。無料で使用できる点がメリットですが、保存期間に制限があるため、長期的にデータ共有をするなどの使い方には向いていません。 オンラインストレージは無料・有料問わず、サービスを継続している限り、ファイル転送サービスのようなファイルの預かり期限はありません。時間や場所、利用するデバイスを問わずに利用できるので、ファイル転送サービスと比較すると、長期的な運用にはオンラインストレージがおすすめです。