そもそもオンラインストレージとは? オンラインストレージは、個人のPCや社内のネットワークではなく、クラウド上にファイルを保管できるサービスです。使い方としてはファイルをオンラインストレージ上で管理することで、多くのユーザーが柔軟にファイルを使用できるようになります。 具体的には、DropboxやWindowsのOneDrive、グーグルのGoogleドライブ、ヤフーのYahoo!ボックス、Mac製品にプリセットされているEvernoteやiCloudなどはすべてオンラインストレージサービスです(一部無料版あり)。また、メインの使い方ではありませんが、adobeのCreative Cloudのようにプラスアルファの機能としてオンラインストレージサービスを備えたソフトもあります。 このように見てみると、多くのビジネスパーソンが何らかのオンラインストレージサービスを使用した経験があり、使い方をある程度知っているのではないでしょうか。ちなみに容量としてはDropboxの無料版が2ギガで、Googleドライブの無料版で15ギガと、大きな開きがあり、使い方にあわせて検討が必要です。 個人用であれば写真や音楽、動画といったサイズが大きくなりがちなデータを預け、シェアするという使い方がすでに浸透しつつあります。また、ビジネス用であればファイルや各種書類を共有するために用いられています。とくにビジネスシーンでの使い方としては、オンラインストレージが業務効率化のために活用されることが多いでしょう。 オンラインストレージにはどういった使い方がある? 使い方としては「ファイル管理」、「共同作業」、「バックアップ」に活用できます。ビジネスの場面を想定して、それぞれの使い方を紹介していきます。 ファイル管理 オンラインストレージを活用することで、各種データやファイルの管理が簡略化され、共有や受け渡しが簡単になります。 たとえば社内の書類データがだれかのPC内に保存されている場合、担当者が休みの日にはその書類データを触れないという事態が発生します。一方で書類データがインターネット上のフォルダに保存されていれば、担当者の不在であっても他のメンバーが必要な書類にアクセス可能です。 また、共有方法についても、オンラインストレージがあれば業務を効率化できます。これまではデータが特定の端末内に保存されていて、メールやメッセージツールで関係者にデータを送付する方法が一般的でした。 ですが、オンラインストレージ上にファイルがある場合はあらかじめアクセス権の設定を行っておけば、自動的に関係者に資料や写真・動画などを共有できます。その際、PCに限らずタブレットやスマホアプリからもアクセスできる点も大きなメリットです。 共同作業 上記のようにオンラインストレージ上では複数のメンバーでファイルを簡単に共有できます。さらにこのような環境では、プロジェクトの共同作業もしやすくなります。 1つのエクセルファイルを複数のメンバーが各自に編集していくという工程では、だれが最新のファイルを持っているのかわからなくなってしまいがちです。最新だと思っていたものが古い内容で、そのことに気づかず編集し、終わった後に再度別のファイルを編集する手間が発生する恐れがあります。 オンラインストレージにファイルをアップデートして、全員共通の1つのファイルboxのなかで編集する場合にはこのような事態を避けられます。容量に注意して運用すれば、二度手間やストレスを軽減できるはずです。 また、オンラインストレージサービスのなかにはファイルのバージョン管理ができるものもあり、「6時間前時点保存データ」、「1日前時点保存データ」といった任意のタイミングにさかのぼることもできます。この機能があれば、データを安心して編集・上書き保存できるでしょう。 バックアップ オンラインストレージサービスの魅力は豊富な容量にあります。その記憶容量は個人のPCより余裕があることが一般的で、ファイルの保存や受け渡し以外に、ファイルのバックアップを保管する場所としても有効です。 これまでバックアップはUSBや外付けハードディスクなどが担ってきましたが、外付けアイテムの場合は紛失や故障のリスクをゼロにすることはできません。この点で比較した場合も、バックアップ先としてオンラインストレージのほうが優秀だといえるでしょう。 また、バックアップがあることで個人のPC内のファイルを軽減できます。容量に余裕があることで、PCへの不可が減り、より快適に日々の業務に取り組むことができるでしょう。 使い方事例はこちら 最後に、実際にオンラインストレージサービスを導入し、課題解決を行った事例を紹介します。 大阪府 府民文化部 私学・大学課 <導入前の状況> FTPサーバーを利用して、データの共有をしていた。業務によっては大容量のデータもあり、郵送や直接の受け渡しなどでやりとりがあった。変更や更新など何度も往復しなければならないものも多く、行政・学校の双方で手間がかかっていた。 <期待> ・即時性が期待できること。 ・情報共有を省力化できること。 <結果> ・行政と約150校の大学との情報共有に利用中。 ・さらなる活用範囲の拡大を見込む。 ジェイアール西日本不動産開発株式会社 <導入前の状況> 社内サーバーの障害対策として、各サーバーごとにテープでバックアップを取り、社内の金庫にしまうという作業を分担して毎日行っていた。保管場所であるビル自体にトラブルが発生した場合にデータを守れないと考え、新たな対策としてデータセンターへのバックアップを検討していた。しかし、なかなか価格的に見合うものがなく、既存の方法から脱却できない状態だった。 <期待> ・コストをおさえて使えるデータのバックアップができること。 <結果> ・想定していた料金よりもかなりコストを抑えられ、懸念していたデータ紛失の悩みが解消された。 ・同時に日々のバックアップ作業の負担からも開放され、非常に助かっている。 大株式会社トーヨーホールディングス <導入前の状況> データのやりとりでメール添付や、gigafile便・firestorageなどの無料のファイル転送サービスを利用していたことが大きな課題だった。添付したデータが重く、メール画面がうまく表示されなくなるなど、業務に支障が出るような事態も発生していた。 <期待> ・アカウントが無制限で作れること。 ・VPN接続ができること。 ・安価で大容量なこと。 ・ログデータが取れること。 ※特にアカウントが無制限で作れることへの期待感が大きかった。 <結果> ・課題だったメールにデータを添付して送る人や、無料のファイル転送サービスを使う人が減少した。 ・特に2019年1月に起きた無料ファイル転送サービスの情報漏洩事件以降はオンラインストレージの社内利用率が非常に高まった。※上記3件の使い方事例はいずれもセキュアSAMBAのものです。その他の事例については下記をご覧ください。 セキュアSAMBA|導入事例 セキュアSAMBAの導入事例はこちらから確認頂けます。 個人利用としては無料である程度の容量を備え、写真や動画を保存する手段として活用されているオンラインストレージ。企業にとっても悩みを解決し、業務効率化を支援するこのサービスは、これからますます多くの企業に必要とされる存在になるでしょう。