ビジネスシーンにおいて欠かせない存在である、マイクロソフト社のサービスや製品。2020年には、「Windows 7」をはじめとする複数のサービスでサポートが終了します。サポートが終了するとセキュリティリスクなどが増加するため、新しい環境への移行が必須となります。サポート終了日が目前となった今、各企業は早急に対応をしなければなりません。今回は2020年にサポートが終了するマイクロソフト社のサービスを5つ取り上げ、それぞれ事前にできる対応策を紹介します。 1.Windows7 2015年にメインストリームサポートが終了し、2020年1月14日には延長サポートも終了します。サポートが終了すると、テクニカルサポート、ソフトウェアやセキュリティ更新プログラムなどが行われないため、ウイルスやマルウェア、脆弱性を狙ったサイバー攻撃に対して耐性がなくなり大変危険です。 対応策としては、最新の「Windows 10」へのアップグレードが主流でしょう。移行方法は3つあり、1つ目は「Windows 10が搭載されているパソコンの購入」です。近年パソコンの記録装置はSSD搭載が主流となり、メモリ容量が大きい機種も増えています。 2つ目は「インプレースアップグレード」です。アプリケーションやデバイスドライバー、OSの各種設定など、現在のOS環境を維持したままWindows 10にアップグレードすることができます。 3つ目は「クリーンインストール」です。Windows 10とアプリケーションを新規にインストールする方法で、アプリケーションや各種設定など現在のOS環境を引き継がず、別途データを移行します。 2.Windows Server 2008 Windows Server 2008/2008 R2は、2020年1月14日に延長サポートが終了します。サポートが終了すると、テクニカルサポート、ソフトウェアやセキュリティ更新プログラムなどの提供がなくなります。 マイクロソフト社は対応策として、Windows Server 2008で構築したシステムを移行することができるクラウドサービス「Microsoft Azure」を用意し、同サービスを利用すると3年間無償でセキュリティ更新プログラムを提供するとしています。 さらに、「ハイブリッドクラウド」として、オンプレミス環境に「Windows Server 2019」を導入し、Azure環境と組み合わせる方法もあります。アップグレードに必要なサーバーのみを対象に、有償で最大3年間、セキュリティ更新プログラムを延長できます。 他にも、マイクロソフト社以外のサービスを活用し、データを移行させる方法があります。例えば、オンラインストレージ・ファイルサーバー「セキュアSAMBA」では、NASやファイルサーバーのデータ移行を短期間で行うことができます。 <関連記事> Windows Server 2008/2008 R2のサポート終了までに行うべき作業をご紹介 3.Office 2010 Office 2010は、2020年10月13日に延長サポートが終了するサービスです。サポートが終了すると、テクニカルサポート、ソフトウェアやセキュリティ更新プログラムなどの提供がなくなります。 対応策として、マイクロソフト社は「Office 365」や「Office2019」など他のバージョンのOfficeへの移行を呼びかけています。「Office365」は年間契約の定額制、「Office2019」は永久ライセンスにて、常に最新のWord、Excel、PowerPoint、Outlookなどのアプリケーションを利用できます。 「Office 365」や「Office2019」などには、オンラインストレージ「OneDrive」をはじめとする、インターネットを通じて利用できるサービスも含まれており、Officeの全機能をWindowsやMacのパソコン、タブレットやモバイル端末にインストールして使用することができます。 4.Exchange Server 2010 2020年1月14日に延長サポートが終了するサービスです。サポートが終了すると、テクニカルサポート、ソフトウェアやセキュリティ更新プログラムなどの提供がなくなります。 対応策として、マイクロソフト社は「Office 365」や「Exchange 2016」「Exchange 2019」への移行をおすすめしています。 「Office 365」への移行は、メールボックスや連絡先などのデータを一括・最小限のハイブリッド・完全なハイブリッドと3段階の方法で移行可能で、企業規模や移行期間に合わせて選択できます。 一方、「Exchange 2016」や「Exchange 2019」への移行では、オンプレミス環境を維持することができます。Exchange 2016以降は、データベースの復元性の向上や、オンラインドキュメント利用が可能になるなど複数の機能が増加され、Office 365に近い機能や環境で運用することができます。 5.SharePoint Server 2010 SharePoint Server 2010は、2020年10月13日に延長サポートが終了するサービスです。サポートが終了すると、テクニカルサポート、ソフトウェアやセキュリティ更新プログラムなどの提供がなくなります。 SharePointはインターネットがベースとなったソフトウェアで、チーム内でのファイル共有や共同作業、コミュニケーションを目的に利用されています。Windows Serverに組み込むか、オンラインサービス「SharePoint Online」を利用します。マイクロソフト社は、サポートが終了後には「Office 365」や「SharePoint Server 2016」「SharePoint Server 2019」への移行が有効であるとしています。 マイクロソフト社以外のサービスでは、オンラインストレージやコミュニケーションツールを導入する方法があります。自社に合わせたカスタマイズや、セキュリティリスクに対して体制が整っているサービスを選択することが重要です。 <関連記事> ファイル共有をスムーズに!オンラインストレージの特長・活用方法を紹介 6.まとめ 2020年には、マイクロソフト社の様々なサービスの延長サポートが終了します。サポートが終了してもサービスは利用可能ですが、セキュリティ面を考慮すると計り知れない脅威があるためおすすめできません。 新しい環境への移行には、計画から移行・運用までに一定の期間がかかるため、早めの対策が必要となります。短期間でデータを移行できるサービスもあるので、事前に適切な準備をして、安全に社内システムを運用していきましょう。 あわせて読みたい! 法人向けクラウドファイルサーバーの特徴とは?