この記事を書いた人 櫻澤佑季(さくらざわ ゆき) スターティアに営業として入社後、グループ会社のスターティアラボにて約300社のホームページのコンサルティングを担当。 2018年事業部の分社化によりMtame(エムタメ)に転籍。2019年よりスターティアレイズにてマーケティングに従事。 近年、多くの企業や個人がクラウドストレージを活用しています。クラウドストレージとはWeb上の共有フォルダに写真やビジネスデータのバックアップなどを保存・シェアできるサービスです。オンラインストレージやストレージサービス(storage service)と呼ばれることもあります。容量は無制限・1TBから買い切りまで様々な形で活用されています。 個人向けクラウドストレージとしてはAppleのiCloudやAndroidアプリなどの活用が浸透しています。ビジネスで活用されるクラウドストレージの例としてはGoogleのGoogleDriveやOneDrive、Dropboxなどが一般的です。価格はサービスごとに様々で、料金比較や活用術をまとめた記事も増えてきました。 また、RICOH社がクラウドストレージサービス「Box」を活用したカンタンストレージサービスを企業向けに提供する仕組みもあります。 この記事ではこれからクラウドストレージを活用したいと考える方向けにクラウドストレージの仕組みやメリット、活用事例、おすすめクラウドストレージ情報をまとめます。 クラウドストレージとは?特長や仕組みの紹介 クラウドストレージの活用方法を説明する前にクラウドストレージの特長や仕組みについて紹介します。 クラウドストレージの特長 クラウドストレージとはWeb上の共有フォルダに各種ファイルやバックアップを保存・シェアできるサービスです。サービスの価格は無料から有料まで様々で、容量についても100GBから契約できたり、1TB以上や無制限など保存するファイル容量によって柔軟に選択できます。 個人向け・ビジネス向けともにAppleのiCloudやGoogleのGoogleDrive、OneDrive、Dropbox、Boxなどが一般的で、iPhoneやAndroid用のアプリも充実しています。活用方法としては写真などのデータをアップし、共有することが可能です。 クラウドストレージの仕組み(方式)は大きく3つ クラウドストレージには3つの保存方式があります。各方式の意味は下記の通りです。 ファイルストレージ方式 PC内でデータやファイルを保存するときに活用されているのがファイルストレージ方式です。ファイルストレージ方式ではファイルにPC内のどのフォルダに保存されているかといったメタデータを書き込んでファイルを保管し、フォルダ/ファイルパスによってファイルにアクセスします。クラウドストレージよりもNASの保存方法として一般的です。 ブロックストレージ方式 ブロックストレージ方式はファイルやデータをブロックに分解し、保管する方法です。ファイル・データを読み込むときには、ブロックを結合し、必要な情報を呼び出します。データやファイルをまるまる引き出すわけではないため、必要なデータやファイルに素早くアクセスできる点が特長です。一般的にSANストレージで活用されている仕組みです。 オブジェクトストレージ方式 オブジェクトストレージ方式ではすべてのファイルやデータがフラットな位置づけで保存されます。ファイルストレージ方式とは異なり、ファイル・データが一律の情報のもと記録されることになるため、アクセスが用意になります。クラウドストレージに多く採用されている仕組みです。 活用するメリット 次にクラウドストレージを活用するメリットについて説明します。クラウドストレージを活用するメリットは次の3点です。 コストが抑えられる クラウドストレージはデータサーバや記憶媒体の代わりとして活用できます。ビジネスにおいて、各種データのバックアップを残すことは重要です。しかし、バックアップデータを保管するためのデータサーバや記憶媒体を設置する方法にはコストがかかります。クラウドストレージを活用すれば、データサーバなどにかかるコストを削減できます。 いつでも・複数人で同時にアクセスできる クラウドストレージはWeb上にファイルやデータを保存・活用できるものです。ブラウザからのアクセスやスマホ専用のアプリがあれば、いつでもアクセスできます。また、複数人が同時に編集・保存できる仕組みもクラウドストレージの魅力でしょう。 災害時のリスクが小さい クラウドストレージは社外のWeb上にデータを保管します。自社が災害に見舞われた場合もクラウドストレージのデータセンターが無事であれば、災害の被害を受けることはありません。 活用事例 クラウドストレージを活用し、業務改善を実施した3つの事例を紹介します。 クラウドストレージの活用事例① ・業種/情報・通信サービス ・従業員数/100名~200名 ・課題/セキュリティ強化 情報・通信サービスを提供するある企業では各種ファイルやデータを共有HDDに保管していましたが、データ破損の危険性を危惧していました。その課題を解決するためにクラウドストレージを導入。クラウドストレージを活用することで、データ破損のリスクを回避しました。 クラウドストレージの活用事例② ・業種/サービス業(その他) ・従業員数/~10名 ・課題/業務効率化、ファイル共有 ある社労士法人では顧客とのファイルのやりとりをメールで行い、業務負荷を感じていました。この問題を解決するために、クライアントとの資料共有を目的とするクラウドストレージを導入。クラウドストレージを活用することで、業務効率化を実現しました。 クラウドストレージの活用事例③ ・業種/サービス業(その他) ・従業員数/非公開 ・課題/業務効率化、ファイル共有、働き方改革 ある企業がクラウドストレージの活用を決めたのはテレワーク対応のため。不便さを感じていた拠点間のファイル共有をクラウドストレージ経由にすることで、業務効率化を実現しました。操作方法がわかりやすいクラウドストレージを選んだことで無理なく活用できています。 その他のクラウドストレージ活用事例についてはこちらをご参照ください。 有名クラウドストレージ3選!個人と法人それぞれ紹介 次に有名クラウドストレージのなかでおすすめのサービスを紹介します。個人活用・法人活用向けの例として、それぞれ3種類のクラウドストレージをピックアップします。 個人向け主要クラウドストレージ3選 まずは個人が活用するのにおすすめなクラウドストレージについてです。 Dropbox 容量 2GB~2TB 月額料金 無料~月2,000円 利用可能ユーザー数 1名~6名 Dropboxは無料版・有料版ともに充実したクラウドストレージです。個人向けでありながら最大6名と共有して活用できる点が特長です。個人向けクラウドストレージに共通していえることですが、まずは無料版からスタートし、使用感を確かめてから有料サービスにプランアップするということもできます。 OneDrive 容量 5GB~1TB 月額料金 無料~年12,984円(Microsoft 365のサービスに含まれる) 利用可能ユーザー数 1名 OneDriveはもともと無料版のみのサービスでしたが、2012年に有料版がリリースされ、サービスが充実しました。個人向けのOneDriveはMicrosoft 365のサービスにも含まれ、実質無料で1TBのクラウドストレージを活用可能です。 GoogleDrive 容量 15GB~2TB 月額料金 無料~年13,000円 利用可能ユーザー数 1名~家族利用 GoogleDriveは名前の通りGoogleが提供するクラウドストレージです。GoogleDriveの有料版は家族での利用が可能で、プライバシーに留意すればクラウドストレージを活用するメリットを最大限に感じられるはずです。GoogleDriveの有料版を個人で活用する場合には、他の個人向けクラウドストレージと比較し、割高になってしまうでしょう。 法人向け主要クラウドストレージ3選 次には法人が活用するのにおすすめなクラウドストレージについてです。 セキュアSAMBA 容量 5GB~5TB 月額料金 無料~月178,000円 利用可能ユーザー数 3名~無制限 セキュアSAMBAは無料から活用をスタートできるクラウドストレージ。無料でも5GBのストレージを3名で共有することができます。容量1TB・ユーザー無制限での利用で満足できない場合には別途個別カスタマイズにも対応しています。 Dropbox Business 容量 5TB~無制限 月額料金 月1,500円~月2,400円 利用可能ユーザー数 3名 ビジネス向けDropboxの特長は豊富なストレージ容量です。月額2400円でクラウドストレージを無制限で活用できるサービスは企業にとって頼もしい存在です。 firestorage(法人) 容量 1TB~9TB 月額料金 月49,800円~月89,800円 利用可能ユーザー数 無制限 ファイル共有サービスで有名なfirestorageによるクラウドストレージサービスです。他のサービスと比較し月額料金が高価格に設定されています。その分社内の既存システムとの連携や権限設定が充実している点が魅力です。 まとめ 今回はクラウドストレージの仕組みや導入事例、活用方法について解説しました。近年、クラウドストレージは個人活用・ビジネス利用、双方のシーンで浸透してきています。GoogleDriveやOneDriveといったクラウドストレージを活用している個人や企業も少なくないでしょう。2020年には新型コロナウィルスの影響でクラウドストレージを活用する動きも活発化しました。 写真やファイル、バックアップデータなどをクラウドストレージで管理することで企業はコスト削減やセキュリティ強化を実現できます。クラウドストレージの活用に興味がある場合はこの記事を参考にしてください。また、うまくクラウドストレージを活用したいという思いがある場合は気軽にお問い合わせください。