ビジネスでもスマートフォンが普及したことにより、テキストより多くの情報を伝えられる写真をやりとりする機会が増えてきました。しかし、メールで写真を送ると容量の制限によって大量の写真を送れない、送れるとしてもファイルの容量が重くなってしまうなどのデメリットが生じます。 そこで、ビジネスで写真を利用する機会が多いビジネスパーソンにおすすめしたいのが、オンラインストレージです。オンラインストレージは文章や動画、音声などのファイルを保存するツールというイメージがありますが、もちろん写真も保存・共有することが可能です。中には写真に特化したサービスもあります。 また、業務で写真データをやりとりする際には、セキュリティ面での危険性も懸念されるポイントです。この点が不安な場合、オンラインストレージの共有機能を利用すれば、大量の写真を簡単にかつ安全にやりとりすることが可能です。 今回は、法人が写真を保存・共有する際に便利なオンラインストレージの選び方のポイント、おすすめのオンラインストレージを紹介します。 写真を保存するオンラインストレージの選び方 まずは、オンラインストレージを選ぶ際に気を付けるべきポイントを確認しておきましょう。 保存容量 保存する写真の枚数は、時間が経つとともに増えていきます。また、カメラやスマホで撮影した写真は容量、1枚あたりのデータ容量も多いので、中にはデータを圧縮してから保存するという仕組みを採用しているサービスもあります。その場合、オンラインストレージから写真を取り出す際には圧縮されたデータを取り出すことになるので、写真の鮮やかさや美しさといった画質の面を追求する場合、欠点となる可能性があります。 オンラインストレージの保存容量は必ずチェックすべきポイントです。オンラインストレージは大きく分けて、無料のプランと有料のプランがあります。無料のものは保存容量に制限があることがほとんどです。 そのため、ビジネスで利用する場合には有料のプランを利用することをおすすめします。無料のプランを利用すると、保存容量が足りたくなったがために写真を削除したり、複数のオンラインストレージの無料プランのを使い分ける必要に迫られたりと、オンラインストレージの利便性を十分に享受できなくなってしまいます。 共有可能か否か オンラインストレージは、共有URLを発行したりメールアドレスを入力したりといった方法で写真を共有できます。特にURLを発行する方法では、オンラインストレージユーザー以外の人にも写真を共有できます。保存だけでなく、共有できる点がオンラインストレージの大きなメリットです。 検索機能の有無 たくさんの写真の中から、目的の写真を探すのには思いの外時間がかかります。そのため、検索機能のあるオンラインストレージを使えば、効率よく目的の写真を探せます。 セキュリティの充実度 オンラインストレージはどれもセキュリティを充実させていますが、トラブルが全くないとは言い切れません。実際に、オンラインストレージへのサイバーアタックや個人情報の流出といった事件はたびたび報道されています。そのため、特にセキュリティを重視したい業界や業種の場合、こちらのポイントも重点的に確認しましょう。 写真の保存や共有におすすめのオンラインストレージ5選 ここでは、ビジネスのシーンでも活用できるオンラインストレージを紹介します。 おすすめオンラインストレージ①「Googleフォト」 Googleフォトは検索エンジンや各種ドキュメントサービスなどを提供しているGoogle(グーグル)のサービスです。Googleにはドキュメントファイルなど多種多様なファイルを保存できるGoogleドライブがありますが、Googleフォトは画像に特化したサービスですGoogleアカウントを持っていればすぐに使えます。 最大の特徴は、容量無制限をうたっていることです。しかし、2020年11月にAmazonは2021年5月で無制限アップロードのサービスを終了すると発表しました。それ以降は最大15GBを無料で利用できる料金体系へと変更されるそうです。 そのため、現在法人でGoogleフォトを利用している方は、2021年6月からは有料プランを利用することを検討してください。 価格:無料(2021年5月まで) 容量:無制限(2021年5月まで) 共有機能:あり 検索機能:あり アプリ:iOS、Android対応 詳細ページはこちら おすすめオンラインストレージ②「Amazonプライムフォト」 こちらは、AmazonがAmazon Prime会員向けに提供しているサービスです。Amazon Primeに登録していれば無料で利用できます。 最大の特徴は、容量無制限で利用できることです。また、写真を圧縮することなく保存しますので、画像の美しさ、鮮やかさが気になる人にもおすすめです。 写真を整理するのに便利なアルバム機能、Amazon Prime会員以外の人を招待して画像の追加などのサービスを利用できるファミリーフォルダー機能などもあり、きめ細かなサービスを受けられます。 価格:無料 容量:無制限 共有機能:あり 検索機能:なし アプリ:iOS、Android対応 ※ただし、Amazon Prime会員(年間4,900円)になることが条件 詳細ページはこちら おすすめオンラインストレージ③「Box」 Boxは法人利用に特化したオンラインストレージです。アメリカが発祥の金融サービスや製薬会社など、幅広い業界の企業が利用しています。 法人向けのサービスとして「Business」「Business Plus」「Enterprise」の3つのプランがあり、どのプランも保存容量は無制限で利用できます。 価格:1ユーザーあたり1,710円(Business)1ユーザーあたり2,850円(Business Plus)1ユーザーあたり4,200円(Enterprise) 容量:無制限 共有機能:あり 検索機能:あり アプリ:iOS、Android、Mac、Windowsに対応 詳細ページはこちら おすすめオンラインストレージ④「Flickr」 Flickrは単に写真をアップロードして保存し共有するだけでなく、他のユーザーと共有したりコメントを残したりといったことが可能です。そのため、海外ではブロガーが画像をストックする場所として、またSNSのような位置付けのサービスとして捉えられています。 業務で利用する写真なので、不特定多数の人に写真を見られたくない場合にも安心です。Flickrでは、写真をアップロードする際に、その写真を見られる範囲を決められる「プライバシー管理」の機能があります。そのため、ビジネスシーンでも安心して利用できるサービスです。 価格と容量はプランによって異なり、それぞれ以下の通りです。 Flickr Free Annual Plan Monthly Plan 価格 無料 $59.99(年間料金) $6.99(月間料金) 容量 1,000枚までアップロード可能 1000TB 1000TB 共有機能:あり 検索機能:あり アプリ:iOS、Android対応 詳細ページはこちら おすすめオンラインストレージ⑤「Dropbox」 Dropboxは世界中で5億人を超えるユーザーに支持されています。シンプルなインターフェースで、初心者でも使いやすいサービスです。Dropboxは無料で2TBまで利用できます。そして、同じ利用容量で最大6人まで利用できるファミリープランもあります。 また、導入部署の人数が多い、より強固なセキュリティが必要な場合にはビジネスに特化したプラン「Dropbox Business」があります。3つのプランがあり、それぞれの価格と料金は以下の通りです。 Standard Advanced Enterprise 価格 1,250円 2,000円 要問い合わせ 容量 5TB チームの必要に応じて容量を追加 カスタマイズ可能 共有機能:あり 検索機能:あり アプリ:iOS、Android、Mac、Windowsに対応 詳細ページはこちら おすすめオンラインストレージ⑥「MEGA」 MEGAはニュージーランドの会社MEGA Limitedが提供するサービスです。50GBまでなら無料で利用できるため、試しに使ってみて使用感を確かめたり、オンラインストレージ初心者でも気軽に試してみたりといったことが可能です。また、端末内の写真や動画を自動的にアップロードされる機能もあります。無料で50GBの容量を利用できるのも魅力的です。 また、有料プランも以下4種類があります。 PRO LITE PRO I PRO II PRO III 価格 4.99€/49.99€ 9.99€/99.99€ 19.99€/199.99€ 29.99€/299.99€ 容量 200GB 1TB 4TB 8TB (価格表示は月額/年額) 共有機能:あり 検索機能:あり アプリ:iOS、Android、Mac、Windowsに対応 詳細ページはこちら まとめ 今回は、写真の保存や共有におすすめのオンラインストレージの選び方、おすすめのサービスを紹介しました。オンラインストレージは、PCやスマホの内部ストレージを圧迫することなく利用でき、保存した写真を複数のメンバーと手軽に共有できるサービスです。 仕事で写真を多く扱うビジネスパーソンの方は、この記事を参考にして各サービスを比較した上でオンラインストレージを導入し、業務を効率化させてください。